羽二重団子(夏目漱石『吾輩は猫である』)
“行きませう。上野にしますか。芋坂へ行って團子を食いましょうか。先生あすこの團子を食ったことがありますか。奥さん一辺行って食って御覧。柔らかくて安いです。”(夏目漱石『吾輩は猫である』より)
手前が焼団子、奥が餡団子(こし餡)です。焼団子はみたらしではなく、生醤油。甘いものが苦手な方もイケそう。やわらかい。
夏目漱石(1867-1916)の処女小説から。漱石の友人でもある俳人の正岡子規をはじめ、田山花袋、泉教鏡花、司馬遼太郎など、多くの小説に登場しているおだんごです。
谷中から東日暮里まで通じる芋坂(いもざか)は現在でもあり、芋坂の団子とは1819年創業の羽二重団子のこと「はぶたえだんご」と読みます。お店のホームページを見ると、創業当時は藤の木茶屋と言われていたのが、やがて名物の団子の名前が屋号になったようです。
ちなみに、芋坂の由来ははっきりしていません。
お土産は1本 ¥270 税込 からでも。上記のような折り詰は2本からで¥567 税込。
約200年前から同じ場所で営業を続けている羽二重団子ですが、その創業の地は改築中のため2019年まで休業。現在、JR西日暮里駅構内のキオスクと日暮里駅前の少しモダンな外観のお店で購入できます。このお店にはイートインコーナーがあり、定番のおだんごをはじめ、おだんごとサラダがセットになった少し独特なランチや、今の季節にもってこいのかき氷も楽しめます。
あずき羹、ぜんざいなど日持ちのする菓子は公式通販もあります。